俺様王子と秘密の時間
成瀬川はあたしの肩にそっと触れて、ゆっくりと離してくれた。
ううううううぅ……。
なんか気まずいよぉ。
も――自分の教室に帰りたい。
「で?お前、何してたわけ?」
「へ……?」
やっと解放されると思ったら、さっきのことを突然聞いてきた。
あたしはキョトンとしたままさっきのことを思い出してみた。
言えない……。
あたし、Hなシーンを盗み聞きしていたんです……なんて口が裂けても言えないよおおおおぉ。
「あのですね……先生に頼まれた資料を」
「そんな言い訳、通じると思うか?」
ムキキキキ……!
さっき南センパイに自分が言ったんじゃないっ!