俺様王子と秘密の時間
着崩した感じの制服のブレザーがだんだん近づいてきて、あたしの視界いっぱいいっぱいになる。
カーテンの隙間からわずかに射し込む光がそのせいで消えてしまった。
やだやだやだやだ――。
近寄らないでよ。
あたしは目の前に立つ成瀬川を直視することが出来なくてマツゲを伏せた。
成瀬川はあたしの頬に手を添えて、グイッと自分の顔に近づける。
「や……やめてください……!」
成瀬川の大きな手からあたしの頬にその体温が流れこむ。
ドクンドクン……と勝手に心臓が高鳴ってしまいあたしはまた顔が熱くなる。
視線をそーっと成瀬川に移すと、そのブラウンの大きな瞳にあたしが映りこんでいた。
ちょっと伏せめがちな成瀬川の瞳に……あたしの心臓がまた反応した。
そして……