俺様王子と秘密の時間


「か……からかわないで!」


あ……あれえぇ――?

あたし、ほんとにどうしちゃったの?

心臓がバクバクで、顔がほてって上手く言葉が出てこない。


ドクンドクン……。

心臓がうるさいよぉ。

止まれッ、あたしの心臓。



「盗み聞きしてたろ?センパイたちが“イケないこと”してたから、気になったんだ?」


あたしのセミロングの髪を耳にかけて、耳のすぐ横で唇をつけるようにして囁いた。


ゾクッ――。


あたしの頬に成瀬川の顎がぶつかってる。

ちょっと長いコイツの無造作な茶色い髪の毛があたしの肌をかすめる。


やだ……どうしよ。

抵抗出来ない……。


すると成瀬川はあたしからパッと離れて、口元をクッと吊り上げた。

 

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