俺様王子と秘密の時間
「てゆーか千秋って男とはどうなったのよ?」
「ぶはっ……」
その名前にあたしは口に含んだカフェオレを吹き出してしまった。
ティッシュで拭きながらお姉ちゃんを見るとニヤリと怪しく笑う。
「ふーん。上手くいったの?」
「な……なに言って……」
「ココ、蚊に食われた?」
お姉ちゃんは自分の胸元に指をあてながら“蚊に”をわざと強調して言う。
へっ?
あたしは自分の胸元に目線を落とすと赤い刻印が見えた。
「きゃあああ……!」
キャミソールを着ていたあたしの胸元は大きく開いていてソレを慌てて隠した。
夏は暑いからキャミソールを着て寝ているのだ。
「おめでとう」
「違……」
「違わないでしょ?いいじゃない、アンタが恋したって」
突然、“お姉ちゃん”らしい顔をする。
「で?彼と会わないの?」