俺様王子と秘密の時間
「で?急に話があるって、どうしたの?」
今日は話がしたいとあたしが呼び出したんだ。
笑って話せる内容じゃなかった。
だからあまり客が入っていない駅前通りの小さなカフェを選んだ。
「あのね……」
やっぱりためらってしまう。
少し怖くて口を結んでしまった。
「大丈夫だから、話して?ね?」
そんなあたしに真っ黒でまん丸な瞳を緩ませて、はーちゃんは優しく笑って言った。
うん……と頷いて、
記憶を辿る。
過傷に触れるように。