俺様王子と秘密の時間
あたしの目の前に立つ成瀬川は、ポケットに手を突っ込んで顔だけをあたしに近づけてきた。
きゃあああああ――!
なんなの、コイツ……。
あたしの反応で楽しんでる?
壁にピタリとくっけていた手に、自然とグッと力が入る。
「アイツ、すげぇ女ったらしだよ?」
は…………?
アイツ……?
女たらし……?
あたしがポカーンとしていると成瀬川が口を開いた。
「はぁ……。3年の南だよ」
「あ……」
あたしは南センパイと女の子が、エッチなことをしていたのを思い出した。
それに……彼女がどうとか言ってたっけ。
「それにココ、“そういうこと”する場所だけど?」
首を傾けながら成瀬川は「フッ」と笑った。