俺様王子と秘密の時間
「そういうこと……?」
あたしは突っ立ったまま、またもやポカーンとして成瀬川に聞いていた。
少しの間、沈黙……。
なんか慣れない雰囲気。
「言わせたいの?」
なんて言いながらやっと口を開いた成瀬川は、ちょっとイタズラっぽい目をあたしに向ける。
「ん………?」
あたしよりずっと高い成瀬川を見上げて首を傾げた。
なによ、その目は?
ちょっとムカムカ。
って……あああああああっ!
あたしのバカあああ……。
「えーと……あの」
アタフタしながら急に熱くなる頬を両手で押さえた。
つまり……そういうことって、エッチってことね。
だって……あたしは彼氏いない歴イコール年齢だし、手繋いだことすらないしキスだって……。
それに、もちろん処女。
もおおおおお……いや。
「椎菜さぁー……」
「は……はい…?」