俺様王子と秘密の時間
ムカつくくらい優しい表情であたしに視線を落とす佐久間は何も言わない。
『トップになったら告白しようと思ってた……彼女がいるのわかってたよ?』
だけどもう抑えきれなかった。
なんでこんなメガネ男を好きになってしまったのかわからない。
それでも好きで好きで溢れてしまいそうで、この気持ちをどこに持っていったらいいかわからなかった。
『今、近藤のこと受け入れたら、きっとキミを利用してしまいそうだ』
『彼女を忘れるために?』
佐久間はメガネの奥からあたしを見据える。
否定も肯定もしない。
彼は沈黙のあと続けた。
『でもちょっと気が多いかな』
『えっ?』
『泣きながらオレを好きだと言ってくれる子に傾きそうだ』
佐久間はあたしの目尻にスッと指を伸ばした。
自分でも気づかないうちに涙が溢れていた。
『ふざけな……』
佐久間はあたしの唇を塞いだ。
『続きはキミがオレを抜いたらしようか?手加減はしないよ?』