俺様王子と秘密の時間


「――というわけなの……」


話終えたあたしは恐る恐る顔を上げてはーちゃんに目をやった。


大きく口をパックリ開けたままのはーちゃんの頬っぺたはピクピクと痙攣したみたいにひきつっていた。



あぁ、やっぱり……?

ずっと隠してたんだから、いくら寛大なはーちゃんだって、そりゃ怒るってもんだよねぇ……。



「ご……ごめんなさいっ!」


あたしはテーブルとおでこがくっつきそうなくらいの勢いでガバッと頭を下げた。





「アンタねぇ……」

「は、はい……っ」


はーちゃんはグラスを握りしめる手をカタカタと震わせながら眉を吊り上げた。


ヤバい……。

これはほんっとにヤバい。

はーちゃんはまるで掃除機みたいにスゥーっと息を吸い込むと




「盗み聞きしてたってわけね!?しかも夏合宿の夜にベットの中には王子も居たぁああですってぇええ!?」


ひぃいいいいいい……っ!

 

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