俺様王子と秘密の時間


「シイは王子が好きなの?」


さっきまでプンプン怒って呆れていたはーちゃんは、今度は微笑むように目を緩ませた。


コクン……と頷くと同時に顔が熱くなってしまう。

もどかしい気持ちもあったけど、好きの気持ちの方が勝ったんだ。



「千秋が嫌いだったのに、なんか変だよね……?」

「いいんじゃない?嫌いだったヤツを好きになることだってあるよ」


恋っていうのはこんな風にいつの間にか好きになってるんだね。



「そういえば」


はーちゃんはクククッと笑ったと思ったら急に真顔になる。



「ん?」

「夏合宿の前に水城がシイのとこ来たよね?」

「あ……」


今の今まで忘れていたことが頭の中で沸き上がる。

夏休みが空けたら新聞部の部室に来てほしいって言われたんだっけ。




「ねえ……、水城の狙いって王子なんじゃないの?」

 

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