俺様王子と秘密の時間


ただでさえ人気のない新館は放課後というだけあってか気味が悪いくらい静まり返っていた。


はぁああああああ……。

つ……ついに来たのね。

悪い意味でドキドキしている。


そんなあたしを心配そうに見つめていたはーちゃんの顔を思い出すと引き返してしまいたくなった。


涼くんの言い付け通りにあたしは“新聞部”と書かれた教室にやって来たのだ。


スゥーッと深呼吸をした。


コンコンッ


「……」


ノックをしたけどいつまで経っても部屋の向こうから返事がない。


………あれぇ?

まさか涼くん忘れてる?


あたしは小首を傾げながらも扉に手をかけて静かに足を踏み入れた。



「失礼しまぁす……」


中には大きな机とパイプ椅子がドンッと置かれてあり、あちこちにプリントみたいなものが散乱していた。

 

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