俺様王子と秘密の時間
「な……なに?」
押し潰されそうな威圧感に耐えきれずあたしは問いかけた。
いやな汗がタラっと背筋を滑り落ちていく。
ドクンッ……と不安が広がる。
そんなあたしを見据えたまま涼くんは肘をつきながらグイッと身体を前に乗り出した。
あたしの顔の真ん前には涼くんの整った顔がある。
けれどすぐに顔を通り越してあたしの耳元に口つけるようにして息をかける。
……そして不気味に囁いた。
「いい写真が撮れたよ。“王子”とセンパイのね」
毒が仕込まれたような刺激的な涼くんの香りが鼻をさす。
ジャラッ……とピアスが揺れて、涼くんが顔を戻すと軟骨に突き刺さる釘のようなピアスが妖しく光った。