俺様王子と秘密の時間


「これは、修学旅行の時かなぁ?センパイ、まるで別人じゃないですか〜」


アルバムを広げて当時のあたしを指さしながらクスクス笑った。



「センパイって“花子さん”だったんだねぇ?地味すぎじゃないですかぁ?あーっオカシイ」


パラパラめくりながら一通りアルバムを見終えると、涼くんはあたしに極上スマイルを向けた。


怖い……。

傷口をえぐられるような痛みと、鈍器で頭を殴られたみたいな衝撃が走る。



「校内新聞にさっきの写真とこれを一緒に載せようと思うんだ。僕ってば才能もあって頭も良いなんて、天は二物を与えず、なんて嘘だなぁ」

「……」

「あっ。心配しなくてもちゃんと“花子さん”も出演させてあげるよ?」

「……めて」

「僕の書き立てる記事でセンパイは学校中の笑い者だね?また花子さんに逆戻……」

「やめてっ……!!お願い!書かないで!」


 

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