俺様王子と秘密の時間
「お願い……!記事にしないで」
あたしは涼くんがペラペラとチラつかせる写真に勢いよく手を伸ばしてソレを奪った。
そして無我夢中で卒業アルバムを取り上げてギュッと抱きしめた。
「欲しいんならあげるよ?でもね、花子さんも写真に納めたし、こっちにはネガがあるんだ」
こんなに取り乱しているあたしとは裏腹に涼くんは余裕をかました。
「お願い……」
「いいよ?でもまさかタダで済まそうとか思ってないよね?」
「な……何が目的なの?」
涼くんは待ってましたと言わんばかりの顔を見せると、ピョンと椅子から立ち上がった。
「センパイが僕の言う通りに出来たら記事は書かない。もちろんネガも処分してあげるよ?」
卑怯で悪魔な男の子だ。
「ほんと?アルバムは?ねえ……、そのアルバムは誰から借りたの?誰からあたしの過去を……」
「それも全部センパイ次第で教えてあげるよ?」
途中で涼くんは遮った。