俺様王子と秘密の時間


あたし次第……。

けれど涼くんのことだからきっと無茶苦茶な要望に違いない。



「なんであたしなの……?涼くんは学校の有名人ばかりを狙ってるん……」

「ぷっ……アハハッ!」


言いかけてる途中で突然、涼くんが吹き出したと思ったらゲラゲラと豪快な笑い声を響かせた。



「センパイってば、やだなぁあ。とんだ勘違い女だ」


……勘違い女?

目尻の涙を拭う涼くんはまるで天然記念物でも見るかのようにあたしを見た。



「僕はセンパイみたいな凡人に興味はないんだ」

「はい……?」


確かに凡人の中の凡人だけど、じゃあいったいあたしに何の要求があるの?



「僕、この写真が撮れた時は嬉しくって急いでセンパイのとこに向かったんだ」

「う、嬉しい……?」

「そうだよ?」


涼くんは得意気に笑ってみせる。



「真のターゲットを暴けるんだって思ったら、嬉しくてある意味ゾクゾクしたんだよねぇ」


 

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