俺様王子と秘密の時間


背後から聞こえた声に振り返ろうと身体を半分ねじると、すぐ側にあるベットのカーテンがシャーッと開いた。

そしてそこから伸びてきた長い腕にパシッと手首を掴まれた。



「きゃああっ……!」


掴まれた手首を引っ張られてあっという間にベットの上に引き寄せられた。

ストン……とお尻がベットの上に着地したせいでギシッと軋んだ音が鳴る。



な……ななななななに?

突然、視界が歪んだ。


あたしは顔だけ後ろにひねった。



「ち…千秋……!?」


あたしの頭の少し後ろから顔を覗かせる千秋は「フッ」と笑みをこぼした。


きゃあああああ……。

近い近い近い――っ!

ズルいよ!

隠れてたわけ?

てゆーかこの体勢……。



「ちょ……ちょっと離して!」


ベットの上に座る千秋の長い両足の間に、後ろ向きのままの体勢であたしは閉じ込められていた。

 

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