俺様王子と秘密の時間
ムカツクうううう!
コレって……弱みを握られたってわけ?
しかもニヤッて笑いながら、あたしに痛ーい視線を送ってるし。
でも………。
「そ……それだけは…」
「それだけは?なに?」
あたしは平和に過ごしたいんだ。
言いふらされたあかつきには恥ずかしくてもう学校に来れない。
ううん……それだけで済まない。
変な噂話みたいに尾ヒレ背ヒレついて一人歩きして、いつの間にか嫌われモノになって……。
“過去”があたしの頭を過ったからブンブンと頭を振った。
「それだけは……ヤメテください」
「いいよ」
「へ……?」
真剣に訴えたせいか、一瞬、成瀬川は驚いた表情を見せたけどあっさりそう言ってくれた。