俺様王子と秘密の時間
「コレ、羽鳥が?」
羽鳥がくれたんだと思って、チラリと盗み見みすると目が合った。
「水城に呼ばれて、ピーピー泣いて帰ってくんじゃねぇかと思ったから」
「……大丈夫。たいした話じゃなかったから。心配してくれて、ありがとね」
バレるわけにはいかないあたしは、なんとか誤魔化した。
窓にだらっと寄りかかる羽鳥を見ると、ふいっと目を逸らした。
「クスッ……」
思わず笑ってしまった。
いつも自信満々でおちゃらけてる羽鳥の後ろ姿が可愛かったから。
でもちょっと嬉しくて救われたような気持ちになる。
「笑ってんな、バーカ」
ウェーブの先を指でねじっていた羽鳥があたしのおでこを指で弾いた。
デコピンされたのだ。
窓に寄りかかる羽鳥の隣に、苺ミルクを飲みながらあたしも背中をくっつけた。