俺様王子と秘密の時間


「まあ、あたしから言っても意味ないだろうから言わないわ」

「ん……?」

「そのうちわかるわよ。羽鳥も王子にやられっぱなしじゃシャクだろうし」


色んなことが一変に起きたせいで、あたしの頭の中は混乱しすぎてパンク寸前だった。




「ところでさぁ、水城になんて言われたの?」


はーちゃんは窓にもたれかかると、机に突っ伏しているあたしに聞く。

ああ、あたしには涼くんのこともあったんだと思うと気分がドーンと沈んだ。



「それがね……」


あたしは涼くんに千秋とキスしている写真を撮られたこと。


挙げ句、何故か花子時代のあたしを知っていたこと、誰から借りたのか卒業アルバムまで入手して写真に納められたこと。


それを記事にされたくなかったら、千秋をズタズタに傷つけろと言われたこと。

話終えたとたんになんだか悲しくなる。

 

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