俺様王子と秘密の時間
「水城って、稀代の悪ね」
話を聞き終えるたはーちゃんは、眉にクッとシワを寄せて言い放った。
ほんとにそう思うよぉ。
あんな可愛い顔をしていたって、あたしには悪魔にしか見えない。
「で?シイ、どうすんのよ?自分の過去と、王子。アンタはどっちを選ぶの?」
「選ぶなんて……」
はーちゃんが本気で聞いていないことくらい顔を見ればわかる。
あたしがウジウジしているから。
だからわざと聞くんだ。
あたしもそれを天秤にかけるような真似なんてしたくないんだ。
だけど、どうしたらいいかわからずに再び机に突っ伏した。