俺様王子と秘密の時間
「り……涼くん……」
ニッコリ笑いながらスタスタとあたし達の元へ駆け寄ってくる。
教室まで来ないでほしいよ……。
「川村センパイ!行こう?」
「はっ?」
なによ、行こうって?
あたしの腕を掴むと待ちわびていたような瞳を向けてくる。
「あの……」
「うん?なぁに?」
小首を傾げてキラキラ輝かせて見つめてくる瞳がある意味怖かった。
あたしは口を結んでしまう。
「ちょっと水城。アンタ、やることが卑劣なのよ」
うっと黙りこくっていると、隣に立っていたはーちゃんが口を開いた。
ピクリと反応した涼くんは笑顔のままはーちゃんを睨んだ。
「シイのこと泣かしたら、その可愛い顔あたしがズタズタにしてあげる」
キッパリ言い放つはーちゃんの言葉が嬉しくて胸がキュッとした。