俺様王子と秘密の時間


……こんな悪魔に負けないもん。

バラされたっていい。

あたしは拳にグッと力をいれた。



「随分、強気な態度だね?」


そう言って涼くんはデスクの上にある写真を一枚拾い上げる。

ソレを眺めるように見ると、クスッと笑った。



「あ――、僕もうかつだったな」


その写真を指で摘むとあたしに見せつけるようにこちらに向けた。



「もっとちゃんと調べるべきだったんだ。こんな人に、王子様が惚れ込むわけないんだって」


写真は花子の時のあたし。

卒業アルバムの個人写真を撮ったんだろう。



「まあ、暇潰し程度にはなったんだろうけどね?」


クククッと意味深に笑った。



「涼くん……、なんでこんな酷いことばかりするの?」

「酷い?心外だなぁー。僕はね、忠告してあげているんだよ」

 

< 373 / 511 >

この作品をシェア

pagetop