俺様王子と秘密の時間


「忠告?」


あたしは首を傾げた。


涼くんはスッと立ち上がると、あたしの側までやって来た。



「うん、忠告だよ。センパイが傷つく前にね?」

「傷つく……?」

「そ。はっきり言わせてもらうと、王子はやめたほうがいいよ?ってことさ」

「……」


ズキンッと胸が疼いた。


どうして羽鳥も涼くんもそんなことを言うんだろう……。

どうして千秋はやめておけなんて言うの?

意味がわからないことばかりだ。



「良いねぇー。そういう困った顔、僕は好きだな」


涼くんは両手の人差し指で四角いカメラを作るとそこからあたしを覗きこんだ。



「バカ王子のこともセンパイのことを記事にするのも諦めてあげるよ」

「え!?ほ、ほんとっ?」


まさか涼くんからそんなことを言ってくるとは思ってもなかった。

でも涼くんが簡単に諦めるの?

 

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