俺様王子と秘密の時間


「やっぱり……バレたらヤバいんデスカ?」

「王子様だからな?」


恐る恐る聞いてみると、裏王子はまるで営業スマイルのような笑みをして言った。

はあああああ。

学校中の女の子を虜にする王子様と秘密で付き合うって、かなりスリリング。

ため息しか出ない。



「あーそうですか。だったらこんなことしなきゃイイのに」

「ま。契約成立だな?」


契約って。

人の弱みにつけこんどいてそんな爽やかな顔で。



すると裏王子はあたしのブレザーのポケットからスルリとケータイを奪った。



「ちょっと……」


なんて言葉も虚しく、裏王子は自分のケータイを取り出した。


まさか………。



「オレの登録しといたから、明日から呼んだらすぐ来いよ?秘密厳守、だかんな?」

 

< 38 / 511 >

この作品をシェア

pagetop