俺様王子と秘密の時間
◆秘密な関係START
ピピピピピピピ ピッ。
布団の横でうるさく鳴る目覚まし時計を止める。
「はあああああ――」
行きたくないなああ。
学校に行くのがこんな憂鬱になるなんて高校に入っては初めてだ。
バンッ――。
「ちょっと椎菜!アンタ早く起きなさいよ?」
「あ、お姉ちゃん……」
勢いよく部屋のドアが開いたと思ったらお姉ちゃんが入ってきた。
あたしは2DKのアパートにお姉ちゃんと住んでいる。
高校入学と共に、地元から3時間はかかるであろう電車を乗り継いで転がりこんできたのだ。
どうしても……誰もあたしを知らない高校に来たかったから……。
「わたしそろそろ出るよ?」
鏡を見ながら最後のお化粧チェックをしているお姉ちゃん。
その唇には、綺麗な真っ赤なルージュが光る。