俺様王子と秘密の時間


いつも歩く度に女の子たちの黄色い声援を受ける。

王子の名を欲しいままにする、何をやっても完璧なんだよね、アイツは。



あ……あれは表の顔だ。

作り笑顔なんか振り撒いて。

あたしは正門前で女の子たちに愛想を振り撒く王子を見ながら、心の中でそんなことを呟いていた。



「シイ、おはよー!」


窓の向こうに居る王子を見ていたあたしに声をかけたのは、はーちゃん。


近藤葉月(コンドウ ハズキ)


大人っぽい雰囲気の持ち主で、真っ黒な瞳にふわふわのショートボブが似合ってるんだ。



初めてはーちゃんを見た時、日本人形みたいだなって思った。

テストでは学年ナンバー2を保つ頭脳の持ち主。

1年の時に同じクラスになって仲良くなったの。

 

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