俺様王子と秘密の時間
「お……おはよ、はーちゃん」
「シイ、元気ないね?どーかしたぁ?」
あたしは王子との昨日の出来事を一瞬、思い出してしまった。
でも“絶対に秘密”だからフルフルと頭を振った。
「あ!王子じゃん!ははーん……さてはシイ、王子に惚れちゃったわけね?」
「ちっちちちちち違うよっ!」
「シイ、動揺しすぎー」
ほんとに違うんだって!
はーちゃん、あたしはね、あの二重人格王子に弱みを握られてるんだよおおお。
そんなこと、とても口に出して言えることじゃない。
「確かに王子はカッコイイよね?端正な顔してるよねぇ?」
容姿端麗。
それは認めざるを得ない。
悔しいけどっ!
でも、あんなヤツ……。
「どこが!あんなヤツ、全然王子様なんかじゃないもんっ!」