俺様王子と秘密の時間


「お……おはよ、はーちゃん」

「シイ、元気ないね?どーかしたぁ?」


あたしは王子との昨日の出来事を一瞬、思い出してしまった。

でも“絶対に秘密”だからフルフルと頭を振った。



「あ!王子じゃん!ははーん……さてはシイ、王子に惚れちゃったわけね?」

「ちっちちちちち違うよっ!」

「シイ、動揺しすぎー」


ほんとに違うんだって!

はーちゃん、あたしはね、あの二重人格王子に弱みを握られてるんだよおおお。


そんなこと、とても口に出して言えることじゃない。



「確かに王子はカッコイイよね?端正な顔してるよねぇ?」


容姿端麗。

それは認めざるを得ない。

悔しいけどっ!

でも、あんなヤツ……。



「どこが!あんなヤツ、全然王子様なんかじゃないもんっ!」

 

< 45 / 511 >

この作品をシェア

pagetop