俺様王子と秘密の時間
「オレの気持ちが知りたいんだろ?」
「え……?」
顔を上げ瞬間、千秋があたしの頭の後ろに手を回して引き寄せた。
「ん……っ」
あたしは抵抗しよとしたけど、千秋に強く掴まれた腕は全く動かなかった。
こんなキスは要らない。
こんな大胆な行動を望んでいたわけじゃないの。
あたしはただ千秋から“好き”って言葉が欲しかっただけなの。
そう思うのは欲張りなの……?
「やめて……!!」
どっと溢れてくる涙なんか気にもせずに千秋をふりほどいた。
「も……もうやめる……千秋との関係なんてもうやめるんだから。全部無かったことに……するんだからぁ……」