俺様王子と秘密の時間
誰かを好きになることが………、“恋”をすることがこんなに辛いなんて知らなかった。
胸が痛い……。
涙が止まらない。
こみあげてくる感情さえも、胸につっかえてるみたいで苦しい。
「無かったことに出来るなら、やってみろよ」
千秋はそう言って、一度もあたしを見ることなく背を向けた。
……もう、絶対に千秋は振り返ってくれない。
そんな気がした。
「文化祭で……素敵なお姫様選べばいいじゃない……!バカ……」
あたしの言葉が宙を舞った。
少しだけ期待してたの。
心のどっかで、きっと千秋の気持ちが聞けるんじゃないかって。
けれどやっぱり……。
あたしなんかがお姫様になれるハズがなかったんだ……。