俺様王子と秘密の時間


休憩に入っていいと言う西山先生の声に、あたし達は持ち場を離れて廊下に出た。


お祭り騒ぎで人で溢れている廊下を通り抜ける。

あたし達は自販機で飲み物を買うと渡り廊下に出て腰をおろした。



ジリジリと太陽が照らす。

思わず目を細めてしまうくらい強烈な陽射しだ。


隣の校舎へと続く渡り廊下から下を見下ろすと、外で呼びこみをしている生徒達の姿が見える。

あたしはまた無意識のうちに千秋を探していたことに気づいて、無性に惨めな気持ちになった。



「ああー疲れたぁああ……」

「つまみ食いばっかりしてたクセによく言うわよ」


うなだれるコウちゃんの頭をパシッと軽く叩くはーちゃん。



「てゆーか雅弥はぁ?」

「知らない。さっきから必死になんかやってたけど」


この場に羽鳥だけが居ない。

もしかしてあたしは避けられてるのかな……。


そう思った時。

 

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