俺様王子と秘密の時間
あたしは周りなんて気にせずにバカでかい声で白熱してしまっていたんだ。
あんなヤツ王子様なんかじゃ。
「ちょ……ちょっとシイ!」
「へ……?」
横から聞こえてきたはーちゃんの声であたしはハッとしたのだ。
しまったああああ。
そう思ったけれど時既に遅し。
さっきまで王子に目がハートになっていた女の子たちがキッとあたしを睨んだ。
ヒイイイイイイイ――!
ココ、教室だったんだ。
ごめんなさいいいい。
女の子の痛い視線から逃げるようにあたしとはーちゃんは廊下に出た。
「もー、シイってばなに言っちゃってんのー?」
「あ……えっと……」
その時、あたしのブレザーのポケットに入ったケータイが震えた。