俺様王子と秘密の時間


ちょっと顔を赤らめて照れ隠しするように、羽鳥があたしのおでこを指で弾いた。


すごく嬉しかったの。


だから泣きそうになっちゃって、ジーンときて胸がキュンって音をたてた。



「だって焦げてるよ?どこがスペシャルなのぉ?」

「は?食わないなら返せ!」

「やぁあだよ!あたしのだもん」


今までのように話せるなんて思わなくてそれがたまらなく嬉しい。



「男女の友情?」

とコウちゃん。


「てゆーか、実のらない恋の結末?」

チクッと攻撃するはーちゃん。

と同時にポカンとはーちゃんの頭を羽鳥が軽く叩いた。




「ったくシイはまじでバカだよ」

「えっ?」


並んで座る羽鳥の顔が太陽に照らされて、眩しくて目を細めてしまいそうになる。

 

< 461 / 511 >

この作品をシェア

pagetop