俺様王子と秘密の時間
ちょっと顔を赤らめて照れ隠しするように、羽鳥があたしのおでこを指で弾いた。
すごく嬉しかったの。
だから泣きそうになっちゃって、ジーンときて胸がキュンって音をたてた。
「だって焦げてるよ?どこがスペシャルなのぉ?」
「は?食わないなら返せ!」
「やぁあだよ!あたしのだもん」
今までのように話せるなんて思わなくてそれがたまらなく嬉しい。
「男女の友情?」
とコウちゃん。
「てゆーか、実のらない恋の結末?」
チクッと攻撃するはーちゃん。
と同時にポカンとはーちゃんの頭を羽鳥が軽く叩いた。
「ったくシイはまじでバカだよ」
「えっ?」
並んで座る羽鳥の顔が太陽に照らされて、眩しくて目を細めてしまいそうになる。