俺様王子と秘密の時間


《ぷっ……どもってやんの。可愛いな》

「なっ………」


ほんっとになんなのよ。

イキナリ電話してきて、あたしはビックリしてるっていうのにいいいい。



《昨日のこと、覚えてるか?》

「は………はい」


忘れたくても忘れられない。

人にあんなこと言って。

キ……キキキスまでして。



《秘密厳守、だからな?》

「あああ……あああのー、だったら何で電話なんて……」

《ぷっ。ま、いーから、教室からちょっと下見てみ?》


はあああああ?

意味がわからない。



《椎菜、早くして?》


沈黙しているあたしを王子は急かした。



「はいはいわかりました!」


なんなのよコイツ。

あたしは一旦、ケータイを耳から離すと小走りで自分の教室へ向かい、窓の下へ目をやった。

 

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