俺様王子と秘密の時間


《昼休み、新館の中庭においで》

「へ?あっ、ちょっと……」


ツーツーツー……。


あたしの言葉を遮るかのように既に電話は切られていて、機会音だけが虚しく響いていた。


もおおおっ!

なんて一方的なの?

って………そっか。

あたしは昨日、王子に言われたことを思い出した。



『呼んだらすぐ来いよ』なんて言われたんだよね。

それに一応、付き合ってることになっているんだ。

絶対に秘密なんだけど。



あたしは肩を落として再び廊下に出た。



「シイ――!!」


目の前には腰に手を当ててムウッとした表情のはーちゃんが立っていた。

あっ………。

はーちゃんの存在をすっかり忘れてたよ。



「ごめんねぇ……」

「まったく!なにやってたの?」


はーちゃんは小首を傾げた。

 

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