俺様王子と秘密の時間
「ちょ……ちょっと電話してて」
「そ。シイさっき、王子のこと見てたんでしょー?」
「み……見てない見てない!」
あたしは両手を振って必死にジェスチャー付きで否定した。
「はぁーっ……」
朝からため息ばかり。
これも全部アイツのせいなんだからねっ!
ブスゥッと頬を膨らました。
「なぁに膨れてんだよ?変な顔がもっと変になんぞ」
ツンっと頬っぺたを突っつかれて振り向くと、ククッと笑う羽鳥とコウちゃんがそこに居た。
「シイー何キレてんのー?」
「怒ってばっかじゃ、血圧上がるぜ?」
コウちゃんに続いて羽鳥が一言余計に付け足す。
羽鳥雅弥(ハトリ マサヤ)
湯田幸太郎(ユダ コウタロウ)
はーちゃんたちとは1年の時に同じクラスで、そして今年も見事に同じになったのだ。