俺様王子と秘密の時間
ポケットからケータイを取り出して開いた。
メールBOXにはアイツからの新着メールが届いていた。
目を通したとたんムカムカしてきた。
【From:王子様】
【To:Re:】
新館の中庭
-----END-----
コイツ…………!
バカじゃないんだから一回言えばわかるわよ!
だいたい、何であたしがこんな目に合わなきゃなんないのよおおおおぉっ!
バカ王子っ!
あたしはイライラしながら賑わう廊下を通り抜けて、大好きな苺ミルクを買うために自販機に小銭を入れた。
バンバンバン――!
何度もボタンを押してみたけど。
チャリン。
入れた小銭が釣り銭口に戻ってきてしまった。
苺ミルクは残念ながら売り切れだった。
ツイてないなぁ……。
「はああああぁ……」
今日で何度目になるだろうため息を吐いて、あたしは新館へ向かった。