俺様王子と秘密の時間


新館には生徒指導室があるんだ。

まさか昼休みに、こんなところに誰かが来るわけナイと油断しきっていたあたしがバカだった……。


今あたしと千秋が居る芝生は、草や植木で隠れてるけど、座ってるだけでも向こうから頭が見えてしまう。


女の子たちが校舎に戻るには、あたしと千秋が居るこの芝生の前を通らなければならない。




どうしよおぉ………!

待って待ってぇ……!

まだ来ないでお願い!

今、見つかったらヤバいよ!



「食堂行くー?」

「いいねぇーっ!行く行くー」


声が近づいてくる……。



でも千秋はこんな時でもクールフェイスを崩さない。

あたしはまるで助けを求めるかのように千秋を見ると、声のする方に目を向けていた。




そして…………




ドサッ――。

 

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