俺様王子と秘密の時間
「シイどーしたぁ?お前、顔赤いぞ?」
「な………」
ケラケラ笑って羽鳥はあたしの髪の毛をくしゃくしゃにした。
なに言ってんのよぉ!
赤くなんてなってない……!
あんなのカウントしないんだからねぇ。
ファーストキスは大切な人と最高のシチュエーションで……なんて理想を抱いたのに。
なのにアイツ。
に……二回も。
きゃああああああ。
もうやめよ。
思い返すだけでクラクラする。
「シイはバカだなぁ。せめてゴリラの授業は真面目に聞かなきゃ!」
コウちゃんはあたしの席の前に立ってクスクス笑ったんだ。
「うんー………」
「よぉし!みんなでカラオケ行こうぜぇ!」
「いいねぇ!」
羽鳥の提案にコウちゃんは、はしゃいだ。
でもあたしは、なんだかそんな気分になれなくて机に突っ伏した。
その時、ケータイが震えた。