俺様王子と秘密の時間


羽鳥たちが去ったあと、はーちゃんは何故か鞄を置いたまま教科書を持った。


あれれぇ……?

はーちゃん帰らないの?



「はーちゃんどこ行くの?」


なんでかな……。

すごく嫌な予感がする。



「図書室……だよ」


はーちゃんはニコリと笑ってそう答えた。

図書室って……。

えええええええぇ!

困るよはーちゃん。

あたし、これから図書室に行かなきゃいけないんだよぉ。



「シイは帰るんでしょ?また明日ねぇー」


そんなあたしの事情なんて知るはずもナイはーちゃんは爽やかな笑顔で手を振った。


こ……これはヤバいよぉ。


はーちゃんはたぶん王子ファンじゃないけど、アイツの条件は“内緒で”なんだ……。

どうしよぉ………。

 

< 88 / 511 >

この作品をシェア

pagetop