俺様王子と秘密の時間
羽鳥たちが去ったあと、はーちゃんは何故か鞄を置いたまま教科書を持った。
あれれぇ……?
はーちゃん帰らないの?
「はーちゃんどこ行くの?」
なんでかな……。
すごく嫌な予感がする。
「図書室……だよ」
はーちゃんはニコリと笑ってそう答えた。
図書室って……。
えええええええぇ!
困るよはーちゃん。
あたし、これから図書室に行かなきゃいけないんだよぉ。
「シイは帰るんでしょ?また明日ねぇー」
そんなあたしの事情なんて知るはずもナイはーちゃんは爽やかな笑顔で手を振った。
こ……これはヤバいよぉ。
はーちゃんはたぶん王子ファンじゃないけど、アイツの条件は“内緒で”なんだ……。
どうしよぉ………。