俺様王子と秘密の時間
放課後の校内は静まり返り、自分の足音が妙に響いて聞こえる。
新館の3階に着いたところで、あたしは息切れ寸前だった。
はーちゃん……もう居るかな?
走ってきたせいかドクドクと心臓がうるさい。
荒々しい呼吸を整えてから、はーちゃんがまだ居ないことを願いながら図書室と書いてある部屋の扉をそーっと開けた。
新館に作られた図書室はまるで図書館みたいに広かった。
思わずため息がでちゃいそう。
白い長い机とパイプ椅子が窓際に並んでいる。
巨大な本棚がいくつも並んでいて、頭が痛くなるような難しい本から話題の人気作家の本までズッシリと埋まっていた。
あたしはキョロキョロと見渡すと、やはり千秋が言った通りまだ誰も居なかったんだ。