俺様王子と秘密の時間


良かったぁああああ。

はーちゃん、まだ来てないんだ。

あたしは安堵の息を漏らす。


でも、あたしより先に図書室へ向かったのに何故まだはーちゃんは来てないんだろう?


でもその疑問は一旦置いておき、あたしは千秋の姿を探した。


席には座っていないことを確認したあたしは、巨大な本棚の通路に入りこんだ。

くるくる歩いていると。




あ………。

本棚の一番奥の隅っこに、千秋の姿を見つけた。



「ちょっと……」


声をかけようとしたけれど、あたしは口を結んだ。


だって……

スースーと小さな寝息が聞こえたからだ。

 

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