俺様王子と秘密の時間
千秋………?
もしかして寝てるの?
あたしは静かに近寄って、千秋の目の前で腰をおろした。
聞こえてくるのは相変わらずスースーと小さな寝息のみ。
うそぉおおお……。
寝ちゃってるよぉ。
頬っぺたをツンツンしてみてもピクリとも動かない。
綺麗な寝顔だなぁ。
ちょっと口開けて寝てる。
あ……睫毛メチャクチャ長い。
肌なんてあたしより綺麗なんじゃない?
あたしはちょこんと座ったまま千秋の寝顔を観察していた。
なんか……すごく可愛い。
母性本能くすぐられるっていうか、不思議な気持ち。
ちょっとイタズラしちゃおっ。
むふふふふ。
あたしはそんなことを考えて、千秋の鼻をツンツンしてやろうと手を伸ばそうとした。