中学生、前線模様。
ま、宇佐見からしても

そうなんだろうけどね。


あたしは無言で通り過ぎる。


っていうか

なんで隣から出てくんの。

隣は、ってか二階は女子の部屋なのに。


そんな事を思いながら

あたしは階段のほうに歩きだそうとした。

その時

ガッと腕がつかまれる。


「…何よ」

あたしは振りかえって

手を振りほどいた。


「俺、今『あ、目黒』っつったじゃん。」

「…いや、知ってるけど」

なんなんだこいつは。


今までこんな奴が

クラスにいたのを知らなかったのは

何故だろう?


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