そら-極道ですが何か!?-


「じゃあ、なんで今眼を逸らした?なんでそんなに悲しい顔してんだよ!!」

「…好きな人ができたの。でも、大好きだから大嫌いなの」

「なんだょ。それ。意味わかんねぇ。

…俺は慧斗が好きだょ。隣にいてほしい」

夕兎は真っ直ぐ慧斗を見る。慧斗は物凄い綺麗な微笑を浮かべた。


「あたしは龍葵組の次期当主で、好きになるべき人も決まっていて、時間も限られてる。
あたしの恋ひとつで組員の人生も変わる」

慧斗の眼差しは、次期当主に相応しいそれだった。


数呼吸後、慧斗はすごく満足げに笑うと、

「夕兎なんて、だぁい嫌い」
と言って、夕兎にキスをした。


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