そら-極道ですが何か!?-


「ただいまぁ」

沈黙が流れる中、突然明るい声がした。

三人ははっとしたように、顔をあげる。
そこには箱をもち立っている雪。

「おかえり」

「おじゃましてます」



幸恵が紅茶を用意し、テーブルを4人で囲む。

「ここのケーキおいしいんだ」

雪が買ってきた苺のショートをみんなで食べる。

「おいしっ!!」

満面の笑みが浮かぶ慧斗。

「慧斗ちゃんの美味しそうな顔見ると、買ってきてよかったぁっておもうわぁ…」

しみじみと雪が言う。

「ほんとよねぇ…
慧斗ちゃん、ホントに幸せそうな顔して食べるもんねぇ」

幸恵が微笑む。

「いいことだ」

将嘉が笑う。


楽しい時間は過ぎるのが早く、あっという間にお昼の時間。

「それじゃ、私はこれで失礼します」

慧斗が立ち上がると、

「もう帰っちゃうの?」

引き止める幸恵。

「はい。まだまだ仕事が山積みなもので…」

「残念…今度、一緒にお買い物しましょうね」

「ぜひ!!」

「今度いつくる?」

雪が迫ってくる。

「今のところ未定かな…」

「来るときはTELしてよ!!春都にでも番号聞いといて。メールもしてよ」
「わかりました」

「例の件、両方考えとくよ」

「お願いします」



慧斗は、家に向かって歩き出した。


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