ぱちってますか?
美保が得意そうに話しだす。


「いいかぃ、まず台の横にあるここ。ここにお金を入れるの!サンドって言うんだけどね。サンドイッチちゃうから、食べれないけどね。ギャハハ違うか!」


自分の言った言葉で大笑いする美保。
半ば圧倒されながらも、おずおずと千円札を差し込むナオ。
「じゃ、次に台にある玉貸しボタンおしてみ。」

「はい。これですねポチッと。」
素直にしたがうナオ、やがて五百円分の玉が出て来る。
手を叩いて喜ぶナオ。


「はっ、玉が出たぐらいで可愛いもんだ。じゃハンドル握ってヘソ狙って打ってみな。そうそう、あんた筋がいいわ。」ここでも誉められナオも満更ではない。

数回転後、ナオの台にこの台の最強とも言える魚群の予告が起こる。


『綺麗!お魚さん』

途端に美保の罵声!「あんた!何ぼーっと見てるのよ!そのボタンを連打するのよ!連打!」


「こ、これですね。えぃえぃえぃ。」


やがて、数字が揃う777大当たりである。


「あんた凄いね。ビギナーズラックだ!確変だし!やっぱボタン連打は大切だ!今度はボタン叩くタイミングも教えるからね。」


美保は典型的なオカルトおばさんだった。
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