ぱちってますか?
何はともあれ、その確変は5連まで伸びた。
ナオは自販機でジュースを買い、美保に手渡す。


「色々教えてくれてありがとうです。」

「おゃ、若いのに律儀な子だね。ありがとう。」


「美保さんもパチプロですかぁ?」


「やだょこの子は!そんな御大層なもんじゃないよ。子供の手も離れて暇だからさ。ほとんど毎日パチンコ三昧だよ。最初に亭主に連れてこられた時に、あんた、なんと20万勝ってさ。それから病みつきだよ。もっとも今じゃ収支は赤だけどね。」
舌を出す美保。


「そうなんですか。20万!凄い。元の職場の1カ月半分の給料ですよ。今後も宜しくお願いします。」

尊敬の眼差しで、目をキラキラさせるナオ。
が、最近ほとんど勝てない美保は照れ笑いを返すだけであった。
美保は旦那には、今日はチャラだったとか、取り返した!と報告するのだが、その実、連日の負け。典型的なギャンブル依存のおば様である。


「まぁ、この店の事は私に聞きなさい。なんでも教えてあげるから。そうねぇ、まずは、この島には常連が多いから覚えておくと良いよ。ほら、あのばぁさん。」


美保は1人の老婆を指差した。
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