ぱちってますか?
2人が向かった先はパチンコ屋だった。

ナオは生まれこの方パチンコと言う物をした事がない。
派手な電飾と機械音に圧倒されながら、「ねぇ、ミキ。ここはゲームセンター?そのわりに子供は居ないわね?」


「もう、何言ってるのよ。あんたパチンコ知らないの?やっぱお嬢様よね。」


確かに教員の両親に育てられたナオは、世間に疎い所がある。まぁ両親の期待を裏切って、しがない派遣に甘んじているのは世間の不況もあるのだが、ナオ自身両親の期待が重荷になった部分が大きい。今や両親の期待は妹に向いている。
家に居ずらくなったナオは、自活していく条件で独り暮らし中である。
が、頼みの派遣を切られたら、来月からの生活にも困るであろう。が、今更親に頭は下げたくない。更にイライラは募るのであった。


「で、ミキ。何の用事があるのよ!」


「こっちこっち!」ミキに連れられ向かった先には、アニメ系のパチンコ台と、積まれたドル箱。そして食事中の札。


「待ち合わせまで時間あったから、少しだけって思ったら、確変止まらなくて。慌てて食事中にして行ったって訳。この店共有オッケイだから、1箱あげるから隣で待ってて。確変終わったら止めるから。」
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