俺様ワガママ主人×めいど
◎乱暴な優しさの奴
なんで‥
「‥‥んで‥」
そこにいたのは、紛れも無く、奴だった。
「なんで、ここが分か‥」
ゴロ‥
「―――ッ」
ギュっと目をつむる
「いいから。これも被ってろ」
そう言って、奴は乱暴に自分が持っていたタオルを頭に被せた。
そして
「わっ!」
あたしが入っていた小さな箱のような場所から、グッと引っ張り、
「な‥!」
「黙ってろ」
座ったまま、抱きしめられた状態となっていた。
な、なっ
「は、離し」
「今暴れたら、借金倍にするからな」
「は‥‥?」
「倍になって一生俺にこき使われたいなら暴れろ。
今の借金で返したいなら、動くな、暴れるな」
な‥‥っ!!
「優しい俺が、お前みたいなバカな頭でも理解出来るように言ってやってんだ。
わかるよな‥?」
「―――」
脅しまがいの言葉にと奴の悪魔みたいな顔に、無言のまま反抗していた腕を離した。