俺様ワガママ主人×めいど

――えっ‥‥


「心配、しましたのよ‥」

蘭子さんの腕に抱きしめられる自分がいた。

なんで‥


「蘭子さ」

「出ていって、しまったのかと思いましたわ」

それは、どこか弱々しいもので、蘭子さんから想像もできないものだった。


「‥‥」

「よかった、美鈴ちゃんが出て行っていなくて、ホントよかった」



蘭子さんは、

「よかった‥」

そう何度も、繰り返した。


あたしは、なんて言ったらいいか分からなくなった



“心配かけてゴメンなさい”そう言いたいのに、


“心配してくれてありがとう”なんて
あつかましくも思ってしまう。





< 129 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop