俺様ワガママ主人×めいど
――えっ‥‥
「心配、しましたのよ‥」
蘭子さんの腕に抱きしめられる自分がいた。
なんで‥
「蘭子さ」
「出ていって、しまったのかと思いましたわ」
それは、どこか弱々しいもので、蘭子さんから想像もできないものだった。
「‥‥」
「よかった、美鈴ちゃんが出て行っていなくて、ホントよかった」
蘭子さんは、
「よかった‥」
そう何度も、繰り返した。
あたしは、なんて言ったらいいか分からなくなった
“心配かけてゴメンなさい”そう言いたいのに、
“心配してくれてありがとう”なんて
あつかましくも思ってしまう。